台湾専利法の改正の概要


 今回の法改正は、国際調和の推進、産業ニーズ及び各界要求への適応、審査実務上のニーズへの適応のために行われるものです。
 今回の法改正により、現行条文138条のうち、14条が削除され、新たに38条が追加され、さらに121条が改正され、現在の草案では合計162条に増えます。
 具体的には、下記(1)〜(10)が改正のポイントです。

(1)動植物を特許権の保護対象とし、農業者が自家用として種子を取り置くことを免責とし、権利の消尽及び植物品種権(育成者権)との強制クロスライセンスなど一連の規定を新設する。

(2)故意ではなく出願時に優先権の主張をしなかった場合、納付期限内に専利年金を納付しなかったため権利を失った場合に、その権利回復を申請するメカニズムを新設する。自己の意思により発明を刊行物に掲載した場合に、グレースピリオドを主張できる。

(3)出願人による自発補正の時期的制限を削除し、特許出願の初審における特許査定後30日以内に出願分割できるよう緩和する。

(4)医薬品又は農薬の専利権の期間延長に関する規定を改正する。

(5)専利権の効力が及ばない事項につき改正する。例えば、非商用目的の非公開行為、台湾内外の薬物市場での販売許可の取得を目的とする必要行為、国際消尽原則の明確な採用などがある。

(6)強制実施権の事由、補償金査定の規定を改正する。

(7)専利の無効審判制度を改正する。例えば、職権による審理の排除、一部の請求項に対する無効審判請求を可能とする、無効審判と訂正審判の合併審理・合併査定等が含まれる。

(8)専利権侵害の主観要件を明確に定義し、損害賠償の計算方式、専利の表示(登録番号)の規定を改正する。

(9)同一出願人による特許と実用新案の同日出願に関する規定を新設し、実用新案の訂正に方式審査を採用することを明文化する。

(10)部分意匠、アイコンとGUIの意匠、組物意匠の登録を認め、派生意匠制度を新設する。

 

 注:施行日は別途定められる。